こんにちは。徐々に昼間の日差しが眩しくなっていますね。
今回は少し視点を変えまして、鳥栖未来計画の中身ではなく、成果展の会場設営についてのお話ができればと思います。読んでくださる皆様にキュレーション・学芸員について知っていただければ幸いです。
鳥栖未来計画とは?
鳥栖未来計画(以下、「本計画」)は佐賀大学の学生による任意団体Make-Senseが鳥栖市議会自民党鳥和会の依頼により実施する鳥栖市中心市街地の都市空間再編計画です。本計画では都市デザインや視覚伝達デザインの学生が協働し、JR鳥栖駅の駅高架化を前提とした鳥栖駅周辺の都市空間再編について提案しています。※弊チームのホームページに移動します。
はじめに
初めまして。学芸員資格取得を目指しキュレーションを学んでいます、坂田久美と申します。
まだまだ勉強中ではありますが、鳥栖未来計画成果展ではキュレーションを学ぶ学生として、展示を担当しました。
早速聞きなれない「学芸員」「キュレーション」という単語が出てきました。
「キュレーション」とはアーティストや作品と、地域や地域の方々を繋ぐ橋渡しであると考えています。キュレーションを行う人をキュレーターと言い、いわゆる博物館・美術館の「学芸員」のことです。「学芸員」は展示、収蔵品の専門家で研究者です。「学芸員」については後半に説明させていただきます。
主に成果展では以下のことを行いました。
・パネルと模型の展示配置
・展示設営計画、展示撤収計画の確定
・展示設営、展示撤収の指示
・監視のシフト管理
展示配置について
私の鳥栖未来計画成果展での役割は、指定された場所で指定された提案パネルと模型を展示することです。ただ展示するのではなく、スムーズに見やすく、かっこよく、展示内容に合わせた配置にする必要があります。レイアウトやフォントサイズにまでこだわって作られたパネルが斜めで間隔がバラバラであれば、見る人の注意がそちらに向いてしまい、その魅力を半減させてしまいます。展示品の魅力をなくすような展示はもってのほかです。
最も見せたい企画提案の7枚のパネルを主軸に、展示品の魅力を一層引き立てる展示を目指し、見やすい経路や配置、高さ、照明など今できる最高の展示を行いました。
指定された展示品と展示空間の両者に合わせた展示配置を考えるのはなかなか難しく修正を何度も繰り返しました。設営の際にも実際の展示室に合わせて配置や設営方法を変え、調整を行いました。
展示の設営と撤収について
特に展示の設営はスピード勝負で、6人4時間でこの展示室を作り上げる必要がありました。人も時間も十分ではありません。皆さんが想像される2倍以上は時間がかかります。展示に慣れているのは6人のうち2人だけで、4人は展示の基本知識があるくらいでしたので、設営計画は特により具体的に工程を考え、流れの共有をしっかり行いました。
イレギュラーもあり、設営時間は予想通り押してしまいましたが、計画に余裕を持たせていたこともあり、なんとか時間内に終わらせることができました。
これまで私は設営の全体を指示する立場にはありませんでしたので、プレッシャーも強く設営が終わるまでずっと設営計画とにらめっこをして修正を繰り返しながらの日々でした。無事に設営が終わり、自身が考えたレイアウトが実際に目に前に作り上げられたときは、安堵と嬉しさで胸がいっぱいになりました。
展示の配置や設営はなかなか認知されにくい役割です。しかし、展覧会を行うには必要不可欠で、学芸員の仕事の一つです。
学芸員について
学芸員の仕事は展示品について説明をするだけではありません。他にも多くの大切な仕事を担っています。
そもそも博物館の最大の役割は作品、資料(以下、収蔵品)の収蔵庫です。次にその収蔵品の研究施設、公開施設が並び、地域の観光施設と続きます。
この博物館の役割は学芸員が仕事とする範囲の中にあります。
なかなか知られない学芸員の仕事を紹介していきます。
◉作品、資料の管理
収蔵施設としての空調管理、収蔵品の修復清掃依頼、常設展示の準備入れ替え、借用依頼への対応、寄贈・寄託の対応・調査、収蔵庫の収蔵品管理、収蔵品データベースなどの管理
◉研究
自分の日々の研究、成果発表、成果展
◉展覧会の開催
企画提案、展示品の決定、作品の借用、広報、記録作成、ワークショップの運営
などなど
まず収蔵品の管理を行います。収蔵品の状態を確認し、状態によっては処置を考えます。作品はどうしても劣化してしまいますが、少しでも劣化遅らせるのが学芸員の仕事の一つです。
次に研究です。学芸員は研究者でもありますので、自身の研究も日々進めています。この研究成果の成果展を行うこともあります。
他には展覧会の開催です。展覧会にも様々がありますが、博物館内の収蔵品や館外から借用した展示品で展覧会を行います。展覧会は収蔵品を一般に公開する役割を果たしています。
この鳥栖未来計画成果展を通してキュレーション・学芸員も知っていただけますと嬉しいです。
「鳥栖未来計画成果展2022」展示担当:坂田久美
Make-Senseの最新情報
弊チームは「地方創生」と「アート」を軸として佐賀を拠点に活動するプロジェクト&デザインチームです。佐賀大学芸術地域デザイン学部に在学する学生で構成されています。弊チームに関する詳細は公式ホームページからご覧いただけます。
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